ダイソー・ポケットカー


ミニ四駆がブームになる度に、他社からもパチモノミニ四駆が発売されていました。
しかし本格的に発売されていたのは90年代の2次ブームまで。
2000年代に入り、海外では突発的に中国から各社パチ四駆が登場していましたが
日本国内では、18年前に100円ショップでガワだけ使ったようなパチ四駆が発売されるのみ。
3次ブーム以降は、中国のパチ四駆最大手だったアウディさえも別製品に力を入れるようになり
(2016年に20年記念キットが発売されたそうですが)
もはや新規でミニ四駆のパチモノを見ることはないだろうと思っていました。

ところが2022年10月。
100円ショップ最大手のダイソーにて、突如としてパチ四駆が発売。
Twitterで情報が流れ、瞬く間に自分の目にも届く事となり
自分も無事入手することが出来ました。
とは言っても自分の場合、なぜか100円ショップの商品は狙って探している時ほど手に入らない不思議。
欲しいと思ってから、家から行ける周辺のダイソーを全部回ったにも関わらず、どこにも売ってる気配は無く
他の方の購入報告を恨めしく見ていたところ、えのもと常連のカンチャンさんから近所で売ってるので代理購入しようかとの連絡。
これ幸いとお願いし、入手出来たという次第。感謝感謝です。

最初にリリースされたのは青のスピードスターと、赤のレックスレボリューションの2種。

ダイソーは100円ショップながら、200円以上の商品も多く取り扱っている事もあって
このポケットカーも300円の商品となっています。

そういえば、1次ブーム時に出ていたパチ四駆のビッグワンガムも
ミニ四駆とほぼ同じパーツ構成で300円だった事を思い出します。
(スーパービッグワンガムで検索すると、オークションなどで当時モノの写真を確認出来ます)

値札の横にあるこのロゴ。
縁がミニ四駆のコースをイメージしてるような印象を受けます。
これは今後、ダイソーで専用サーキットを出すという予告なんでしょうか…?

なお、ミニ四駆のコースを出しているお店とのトラブルを考慮してか
遊ぶ際の注意を箱に書いてる念の入れよう。
まあ実際、ダイソーで買ってきた物をミニ四駆のコースを置いてるお店で広げられても、お店には売り上げには繋がらない訳ですし。

これは今後、ダイソーでも専用コースを…?

ともあれ早速開封。

箱は上下から開けるタイプでした。

袋から出した状態。

プラスチック製品と金具、ギヤにモーターとキチンとビニール袋で梱包されています。
300円のキットとは思えない、必要な物が入ってます。

ボディはパチ四駆らしい大味なデザイン。

ホイールはミニ四駆の小径ホイールサイズ
タイヤはエアロミニ四駆の小径タイヤサイズ
若干斜めに歪んでいる…?
ギヤ・金具・モーター類
このギヤの配色、どっかで見たことあるような…?
ステッカーは現在のミニ四駆と同じような銀色ミラーベース
ボディに合う大味なデザイン
説明書はダイソーらしい丁寧なモノ。
ギヤカバー類
ボディキャッチの形状やフロントギヤカバーといい
どっかで見たことあるような…?
シャーシ
どことなく、ミニ四駆のVZシャーシに似たような形状
シャーシ裏はかなりフラットな形状
下部の刻印『©POWO PLS INC』というのは製造メーカーでしょうか?
左側のVスタイルって刻印も謎

しかし、しつこいようですがこのシャーシの形状も、どっかで見たことあるような…?
本家とダイソーのホイール比較
同じサイズながらシンプルな金型形状
同じく本家とのタイヤ比較
ダイソーのタイヤは歪んでいるというより、金型の時点でゲート部分を斜めにしているような印象を受けます。
そんな訳で早速スピードスターを素組み。
プロペラシャフトの受けが狭いのとモーターに使われる金具の取り付け以外は
特に問題なく組み立て完了。
フロント
なんというか、レッツ&ゴーの漫画版に出てくるモブのマシンに
こんなマシンあったよなぁという印象。
サイド
意外とボディ自体は高くなく、このアングルではそこまで違和感なく。
このアングルから見ると意外とカッコいい気がする不思議。
同じくレックスレボリューションも素組み。
箱絵から見てもゴッツいデザインながら
意外と違和感なく収まってる不思議。
レックスの名の通り、恐竜の顔のデザインを取り入れたこのボディ
タミヤよりはバンダイなら出てそうなデザインな気がします。
シャーシは組むと改めてVZシャーシに似てるように見えます。
大きさはミニ四駆のスケールと全く同じ。
なのでグレードアップパーツも流用可能です。
スイッチ部分はシャフト下に軸があるタイプ
ミニ四駆のFM-Aシャーシに似た形になります。

それにしても、くどいようですがこのスイッチ形状は、どっかで見たことあるような…?
バッテリーホルダーは、片側で引っ掛けるVZと似た形。
モーター周りはほとんどVZシャーシと同じ形。
唯一の違いは、モーターホルダー部分はモーターカバーに引っ掛けてガッチリ取り付ける形。
外すのが手間ですが、固定方法としてはVZシャーシより良いような気がします。
フロントバンパーはVZのようにビス止め方式では無いですが
VSのような頑丈そうな形状。
リヤステーもバスタブ構造の頑丈そうな形状
タイヤは最初の取り付けが若干手間な以外はちょうど良い強度。
とはいえ精度はお察しですが。
なお2台作って大きな違いは、何故かハトメが違う。
スピードスターはミニ四駆と同じ金色ながら、軸部分が若干長め。
レックスレボリューションは銀色が梱包されていました。
他にも金具も個体差が多く、光沢の鈍い物も。
この辺は100円ショップの製品らしい、ガバガバ検査基準なんでしょうか。
で、さっきからシャーシに異様な既視感を覚えていたので
もしやと思い、久しぶりに引っ張り出してみた中国・アウディのパチ四駆。

ボディを付けた状態では別物に見えますが。
シャーシで比較するとこの通り。
やはりダイソーのポケットカーの正体は、アウディのパチ四駆でした。

これは恐らく、タミヤでVZシャーシが出てきた辺りでアウディでも過去の製品を流用してVZシャーシをパクった上で
久しぶりにパチ四駆を販売しようかと計画されたものの、中国では既に本家のミニ四駆が流通してて
出した所で売れないと判断され、ある程度生産されたもののお蔵入りとなった物が
流れ流れてダイソーの目に止まり、安価で仕入れてダイソー名義で販売されたのでは?
という推測というか妄想。
特に顕著なのがスイッチ部分の形。
10年以上前の製品から全く同じ物でした。
シャーシ裏から見ると、フロントバンパーの補強部分も全く同じ。
シャーシ裏の全体比較
アウディのシャーシをベースに、VZシャーシのサイドとモーター部分を移植したのがポケットカーのシャーシのようです。
ローラーも形状は同じですが、やや精度は上がった印象。

 以下、組み立てた際の所感

 ・とにかくプロペラシャフト部分の硬さが目立つ。この製品、対象年齢6歳以上だけど小学生が組んでも殆どが走らないで終わってしまうのでは…?
 ・金具部分の噛み合せが悪く、ペンチで無理やり挟んで固定するレベル。この辺りの精度はイマイチな印象
 ・ハトメの軸が長い場合、ギヤと干渉してホイールを押し込んだ際にガチガチに動かなくなる可能性。ハトメとギヤ間にクリアランスを取って何とか…
 ・組み立て後、グリスを塗らずにひたすらブレークインを行って何とか動かせるレベルに。これ、説明書に書いたほうが良いレベルなんじゃ…